東日本大震災について

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、本市において最大震度6強を観測し、特に宮城野区、若林区の沿岸部では、大津波によって甚大な被害となりました。

消防局には、14時46分の本震による揺れの最中の119番通報を皮切りに、助けを求める通報が多数寄せられ、地震発生翌日3月12日の救急出場件数は前年平均の約2.7倍にも及ぶなど、震災によって救急要請が急増することとなりました。

救急出場件数(平成23年3月8日~同3月25日)

このような中、消防局では医療機関や自衛隊などの関係機関と連携を図りつつ、さらには緊急消防援助隊として、神奈川県、三重県、島根県及び熊本県内の消防本部の応援を受けながら、全救急隊が昼夜を問わない全力の活動を行い、多くの傷病者の対応を行いました。

一方、発災直後から、帰宅等を急ぐ方々の車列に加え、大規模な停電による信号機の停止により、市内各所で交通渋滞が発生し、救急車の緊急走行に大きな影響を及ぼすこととなりました。

もし、このような状況で、家族や知人など大切な人が心肺停止で倒れたとしたらどうでしょう。
心臓が止まると脳への血流が滞り、15秒以内に意識を消失し、3~4分以上そのままの状態が続くと回復することが困難と言われており、傷病者の救命には、救急隊が到着するまでの間に現場に居合わせた人(バイスタンダー)が、如何に早く・適切に応急手当を行うかが最大のポイントとなっています。

救命の連鎖

救急車は、平均8.2分(平成23年仙台市平均)で傷病者のもとに到着しますが、地震など大規模な災害が発生した際には、救急要請の重なりや交通渋滞等によって、普段より多くの時間がかかってしまうことは明らかであり、バイスタンダーの応急手当がより一層の重要性を増してきます。

東日本大震災を経験した今だからこそ、大切な家族や友人、そして隣人の命を救うために応急手当の手法をしっかりと学んでいただき、今後に備えていただきたいと思います。

また、東日本大震災におきましては、停電による電源遮断により酸素濃縮器が停止し、在宅酸素療養をされている方の酸素が不足したり、医療機関の被災によって人工透析など定期的な治療が必要となる方の通院が困難となる状況も発生しました。

東日本大震災の課題・教訓につきましては、行政におきましてもその対策・検討を進めているところですが、市民の皆さんにも当時の状況を振り返っていただき、いざという時のために、個人の備え(自助)を進めていただきたいと思います。

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